キリストへの時間 2023年1月15日(日)放送

坂尾連太郎(南与力町教会牧師)

坂尾連太郎(南与力町教会牧師)

メッセージ: あなたがたの光を輝かせよ

【高知放送】
     

【南海放送】
     

 おはようございます。南与力町教会牧師の坂尾連太郎です。
 先週は、「あなたがたは地の塩である」(マタイ5:13)というイエス様の御言葉を聞きました。今朝は、イエス様がそれに続けて語られた「あなたがたは世の光である」(マタイ5:14)という御言葉に、耳を傾けたいと思います。

 私たちは、自分を省みる時に、とても「世の光」などにはなれていないと思うかもしれません。しかし、私たちの自己認識とは関係なく、それに先立って、イエス様の方から私たちに言われるのです。「あなたがたは世の光である」、もうすでにそのようなものとされている、と。その上で、イエス様は命じられます。「あなたがたの光を人々の前に輝かしなさい。」(マタイ5:16)と。それを隠してしまうのではなく、その光で人々を照らしない、そのように言われるのです。

 そして、その目的は、「人々が、あなたがたの立派な行いを見て、あなたがたの天の父をあがめるようになるためである。」(マタイ5:16)と言われています。私たち自身が、人から名誉や称賛を受けるためではありません。あなたがたの立派な行い、美しい行いを見て、人々が、あなたがたの天の父をあがめるようになるため、父なる神様のご栄光をたたえるようになるため。そのために、「あなたがたの光を人々の前に輝かせよ」、イエス様は、そう教えておられるのです。

 中村哲さんという医師が、アフガニスタンで武装集団に襲われ、銃撃され、殺されてしまいました。日本でも大きく報道されていましたので、ご存知の方も多いと思います。中村さんは、バプテスト教会に属するクリスチャンでもあられました。中村さんは、パキスタンやアフガニスタンで、医者として働いておられましたが、その中で、アフガニスタンでは、戦争に加え、ひどい干ばつが起こり、人々が苦しんでいるのを見ました。

 中村さんは、「病気を治す前に、まず水が必要だ」と考え、井戸を掘り始めました。しかし、井戸の中にある地下水が枯れ始めている、ということ気づいた中村さんは、大きな川から直接、水を村に届ける「用水路」を作ることを決心します。用水路など作ったこともない中村さんは、独学で学び始めました。そうして作られた用水路によって、枯れ果てていた大地に緑がよみがえり、村の人々は、農作物を作れるようになったのです。それによって、多くの人々の命が救われ、守られています。

 中村さんは、中学生のときに洗礼を受けられました。そして、「山上の説教」は、暗記するほど読んでおられたようです。また、聖書の言葉ではありませんが、中村さんが特に気に入って使っていた言葉がありました。それは、「一隅(いちぐう)を照らす」という言葉です。「一隅」とは、「片隅」という意味です。中村さんは、インタビューで次のように語っておられました。「これは一隅を照らすと。世界中を豊かにするだとか、全人類を救うだとか、そういうことではなくて、一隅、自分の身の周りから照らしていってください、これが何より国の宝ですよと、こういうことなんですよね。」

 中村さんは、アフガニスタンという遠い国で用水路を作り、多くの人々の命を救う働きをしました。しかし、中村さん自身が大切にしていたことは、「一隅を照らす」、すなわち、「自分の身の周りから照らしていく」ということだったのです。そうして、目の前に苦しんでいる人々のために、地道に、忍耐と努力をもって、働いていかれたのです。

 中村哲さんがなさったことは、本当に立派な行いであり、美しい行為だと思います。そこには愛があり、中村さんが信じていた「天の父なる神様」のご栄光、すばらしさが現れています。

 私たちには、中村さんと同じようなことをすることはできません。しかし、私たちも、イエス様から「あなたがたは世の光である」、「あなたがたの光を人々の前に輝かしなさい」と言われているのです。「一隅を照らす」「世の光」として、片隅にいる人々、自分の周りにいる人々を照らしていく。そうして、父なる神様のご栄光を現していく。私たちも、そのような「世の光」として生きていきたいと思います。



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