小峯明（船橋高根教会牧師）

メッセージ： わたしに従いなさい

　いかがお過ごしですか。船橋高根教会の牧師の小峯明です。

　イエス様の弟子には、徴税人もおりました。徴税人は税金を集める人ですが、当時は、今のわたしたちの国のように、公務員である税務署の職員ではありません。その地域で通行税やその他の税金を集めるために、予め税金を集める権利を、その地域を統治する者に支払い、請け負い制で税金を集めていました。先に必要額を支払ってから、税金を集めます。ですから利益を得るために、不当な税率を掛けたり、不正を働くケースが多かったようです。

　イエス様の時代、特に徴税人は、ユダヤ人から嫌われ、軽蔑されていました。不当な税率により不正を働く者であり、ユダヤ人を支配する外国人のために税金を集めて、ユダヤ人から搾取する敵と考えられていたからです。この時、イエス様に招かれた徴税人は、レビという名前でした。ですから、彼はユダヤ人です。ユダヤ人でありながら、ユダヤ人から嫌われ、軽蔑される仕事をするには、それなりの事情もあったでしょう。そのレビを発見されたのが、イエス様でした。

　イエス様は、彼が収税所に座っているのを見て、声を掛けました。そして、「わたしに従いなさい（ルカ5:27）と言われました。あなたをわたしの弟子とする、着いてきなさい、という意味でしょう。するとレビは、何もかも捨てて立ち上がり、イエス様に従いました。イエス様は、「わたしが来たのは、正しい人を招くためではなく、罪人を招いて悔い改めさせるためである」（ルカ5:32）と言われます。

　レビは、生活のために罪に手を染めていたかも知れません。しかし、自分ではその状況を変えることができませんでした。その悲しみの中にいるレビが、イエス様に発見されて、助け出されました。「わたしに従いなさい」、イエス様は、わたしたちにも語りかけています。