ごきげんいかがですか。東川口教会の櫻井良一です。
私たちはよく人を励ますために、「がんばれ」という言葉をかけることがあります。しかし、その言葉は、頑張ろうとしても頑張れない人には、「がんばらないとだめなんだ」という否定的メッセージだけが伝わって、余計、その人を苦しめる結果になることがあります。私も、20代の頃、この言葉をかけられることがとても苦手でした。当時、大きな人生の挫折を味わった私は、「何をしても自分はダメなんだ」と考えては、自分の力ではどうにもならないことに苦しんでいたのです。
そのとき私は、不思議な人物に出会いました。それは、旧約聖書の中に登場する「ヨブ」という人です。ヨブは突然、家族や財産を失った上に、自分も深刻な病に侵されて苦しみます。「どうして自分はこのような苦しみにあうのだろうか…」と悩み続けるのです。そんなヨブには、友人たちの励ましの言葉は役に立たないばかりか、さらに彼を苦しめることになりました。
私は、このヨブ記を読んで、「今の自分と同じだな…」とヨブに親しみを感じました。そして私は、「ヨブが信じている神とはいったいどのような方なのか」と聖書の言葉に導かれていったのです。私はやがて、ヨブに導かれて、救い主イエスに出会いました。苦しむ人には、口先だけの励ましの言葉は役には立ちません。ヨブは、苦しんでいる人と共に苦しみながら、その人を神に導く人物だと言えるのです。
聖書の言葉「ウツの地にヨブという人がいた。無垢な正しい人で、神を畏れ、悪を避けて生きていた。」ヨブ記1章1節です。