おはようございます。ラジオ牧師の山下正雄です。
イエス・キリストは、その教えの中で、神がどのようなお方であるのかについて、面白い表現を使われます。
その一つに、「あなたがたの髪の毛までも一本残らず数えられている。」(マタイ10:30)という言葉があります。これだけを聞けば、何だか聖書の神は、細かいことまで気にする神経質な神のように思われてしまうかもしれません。というのも、たいていの人にとって、髪の毛が何本あるかは、人生にとって本質的なことではないからです。
しかし、イエス・キリストがこのことをおっしゃった前後の文脈を知れば、神についての深い洞察を得られます。キリストは、その直前で、「体は殺しても、魂を殺すことのできない者どもを恐れるな。むしろ、魂も体も地獄で滅ぼすことのできる方を恐れなさい。」(マタイ10:28)とおっしゃっています。
人間の体も魂も支配される神は、髪の毛一本に至るまで軽んじることなくご存じのお方です。そのお方が、死に直面するあなたの命を、あなたの存在を、髪の毛1本以下に扱うことがあろうか、と問うておられるのです。だから、人間が人間に与える苦痛など、恐れるに足りないとおっしゃるのです。髪の毛1本にまで配慮してくださる神が、わたしたちのそばにいてくださるからです。
きょうのみ言葉「あなたがたの髪の毛までも一本残らず数えられている。だから、恐れるな。」マタイによる福音書10章30節31節