あさのことば 2023年7月30日(日)放送    あさのことば宛のメールはこちらのフォームから送信ください

杉山昌樹(上福岡教会牧師)

杉山昌樹(上福岡教会牧師)

メッセージ: み顔こそ



 いかがお過ごしですか。上福岡教会の杉山です。
 聖書の中に、詩編という書があります。詩ですけれども、聖書の中の詩ですから、神への語り掛けになっています。

 とはいえ、漠然と「神はすばらしい」というようなことを言っているのではありません。例えば、「神よ、あなたの裁きを望みます」(詩編43:1)とズバッと言い切ることから始まる詩があります。何かとても大変なことがあるのです。とても困ったことに巻き込まれてしまっている、それがどうにも解決しそうもない、その時に思わず、「神よ」と心の中で叫んでしまう、そんな言葉から始まります。

 「神よ」、この目の前のことを何とかしてください、こんな呼びかけです。けれども、そこでこの詩人は、二つのことを念頭に置いているようです。それは、そもそも、この目の前の出来事を神は知っている、という確信です。それからもう一つは、このような人間同士の実際的な問題についても、神はいつか、何がよいことで何が悪いことか、それをはっきりとさせてくださるだろう、という確信です。このような確信を言い換えれば「信仰」となります。

 そして、この詩では、最後まで現実的な解決は現れていません。むしろ、最後の段落では、「なぜうなだれるのか、わたしの魂よ」(詩編43:5)と自分の正直な心を語っています。現実は簡単には変わらない、けれども、うなだれているだけではない未来がきっとある、神が自分に顔を向けてくれる未来がある、と告白するのです。

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