あさのことば 2023年4月 9日(日)放送    あさのことば宛のメールはこちらのフォームから送信ください

川栄智章(せんげん台教会牧師)

川栄智章(せんげん台教会牧師)

メッセージ: 悲しみの先に



 イースターおめでとうございます。せんげん台教会の川栄智章です。今日はイースターです。イエス・キリストの復活をお祝いする日です。
 「みにくいアヒルの子」の作者アンデルセンは、貧しい家に生まれ、学校にまともに通うこともできませんでした。

 他のアヒルたちとは異なる姿で生まれて来た、末っ子のみにくいアヒルの子は、兄たちからいじめられました。体が一回り大きく、色が灰色だったからです。みにくいアヒルの子は、「どうして僕だけ、みにくいのだろうか。」と悩んだ挙句、家から飛び出すことにしました。寒い湖の中で、「僕には帰る家がない。愛してくれる家族もない。なぜ僕は生まれたのだろう。」と、悲しみと空腹の中で過ごしていました。

 やがて冬が終わり、春になったある日のこと、湖に、美しい白鳥たちが飛んできました。アヒルの子は、遠目から眺めていると、彼らから、「やあ、ぼくたちの仲間じゃないか。」と声を掛けられました。その時、アヒルの子は、湖面に映った自分の姿を見てびっくりしました。すっかり体の羽毛が生え代わり、立派な白鳥の姿に成長していたのです。このようにして、アヒルの子は、新しい家族を与えられ、一緒に広い世界へ羽ばたいていきました。

 アンデルセンの作品は、他にも「マッチ売りの小女」などがありますが、悲しみの先にあるもの、勝利を見つめています。キリストの復活とは、まさに、苦しみ、恥、死の先にある勝利でした。この復活は、信じる皆様にも約束されているのです。

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