あさのことば 2023年4月 7日(金)放送    あさのことば宛のメールはこちらのフォームから送信ください

野島邦夫(東京教会牧師)

野島邦夫(東京教会牧師)

メッセージ: ユダ 6.その最期



 いかがお過ごしでしょうか。東京教会の野島邦夫です。
 イエスの十二弟子の中で、よく名が知られているのは、ペトロ、ヨハネでしょう。別の悪い意味で、イスカリオテのユダもでしょう。イエスを裏切って、十字架の死に追いやったからです。今回のシリーズでは、このユダを巡って考えてきました。今日は彼の最期、またその死の意味について少し考えます。

 福音書には簡潔にしか書かれていませんが、悲惨な最期です。イエスを敵に売ったことを後悔し、銀貨を返そうとしますが無視されて、ついに首をつって死んだ(マタイ27:3-5参照)と。それは、ユダは滅びたのだ、と使徒言行録には説明されています(使徒1:18参照)。

 ユダも私が選んだ、とイエスは言われました。神の子イエスの選びは、神の選び・救いへの予定と同じ、重い意味があるはずです。ユダの場合、永遠の救いではなく、永遠の滅びへの選び・予定なのでしょうか。私によくわかりません。

 ここでただ一つ、私たちにとって重要なことを考えます。ユダは、終始自分の思いに従って生きた、その最期も、自分の意志で決めた死です。ここに、生まれながらの人間の悲惨を見ます。自分を自分で閉じて、その中で、すべて自分の考え・自分の力で、自分のために、という。この殻を破ろうとも思いません、思っても、自分の力で破れません。これでは、愛も、人格的交流も生まれません。この殻を打ち破るのは、上からの神の恵みの力だけです。

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