あさのことば 2023年1月25日(水)放送    あさのことば宛のメールはこちらのフォームから送信ください

杉山昌樹(上福岡教会牧師)

杉山昌樹(上福岡教会牧師)

メッセージ: あんな奴も愛する神



 いかがお過ごしですか。上福岡教会の杉山です。
 聖書に、かなり有名な「放蕩息子のたとえ」(ルカ15:11-32参照)という話があります。

 裕福な農家に、二人の成人した息子がいました。兄は働き者でしたが、弟は仕事に身が入らず、父親から財産の分け前をせびり取って、都会に繰り出し、散々遊び惚けて無一文になり、食べる物にも困って、家に帰ることになります。

 実は、父親は、弟息子のことを気にかけていて、毎日家のそばの道に出かけて、いつ帰るかと待っていました。ある日、食い詰めた弟息子が帰ってきたので、喜んで迎え入れ、新しい立派な服を着せて大宴会を催した、というものです。この父親は、神のたとえです。

 これはこれで心温まる物語ですが、しかし、兄の方は、この様子を見ていて心穏やかではありません。自分は、一所懸命父の下で働いて、友達と宴会を開いて遊ぶことも我慢してきたのに、あの穀潰しの馬鹿な弟が帰ってきたら、何の罰も与えずに、むしろ大喜びして迎え入れて、飲めや歌えの大宴会まで開いている。まったく甘すぎる。こんな父親の下で働いているのは嫌になった。こう言って、今度は、兄の方が家を出て行ってしまいます。

 すると父親は、この兄の後を追って話しかけます。「あの弟は、私にとって死んだも同然だったのに見つかった」、「あの子がいてくれるだけで私はとてもうれしいのだ」、「だから祝いをするのは当然ではないか」。言いたいことは、恐らくこうです。私は、お前も弟も、ただいてくれるだけで本当にうれしい、兄も弟も違いなくうれしい、お前のことも喜んでいる、それをわかってほしい。

Copyright (C) 2023 RCJ Media Ministry All Rights Reserved.