杉山昌樹（上福岡教会牧師）

メッセージ： 人にごちそうするなら

　いかがお過ごしですか。上福岡教会の杉山です。
　食事に人を招いたり、招かれたりするのは、なかなか気を遣うものです。誰を招くのか、どんな料理がいいか、失礼のないようにしなくては、と思いますし、逆に招かれた場合でも、どんな服装で行こうか、何か手土産がなくちゃ、でも変なものは持っていけないし、とあれこれ悩むかもしれません。

　聖書には、イエスが食事に招かれた時の様子が、何度か登場します。イエスは、ある時、食事に招いてくれた家の人に、こんなことを言いました。招待客は、家族や親せき、金持ちを招いてはいけない。お返しをしようとするかもしれないから。むしろ、貧しかったり、様々に問題を抱えていているような人を招く方がよい。そうすると、お返しをされることがない。そのように、お返しをされないことは幸せなことだ。（ルカ14:12-14参照）

　馬鹿なことを、と思われるでしょうか。しかし、もうそろそろ、つり合いとか、あの人はこれくらいくれそうだ、と見返りを求めるのはやめた方がいい、とイエスは言っているようにも聞こえます。そうではなくて、その殻を破って、まずは、無条件で与えることを始めてはどうか。そうしたら自由になって、もし自分が何かもらう時も、心置きなく、人から与えられることを楽しめるのではないか。

　そのようにして、損得を考えずに、与えたり与えられたりする、楽しい関係が生まれていくのではないか。それは幸いなことではないか。それだけではなく、そのように良い関係に生きる人を神は喜ばれるだろう。このように、イエスは語っているように思えるのです。