いかがお過ごしですか。上福岡教会の杉山です。
聖書を見ますと、イエスの周りには、いろいろな人たちが集まってきたようです。ある時、聖書をよく知っていて、自信たっぷりの人が近づいてきて、イエスに言いました。「何をしたら永遠の命を受け継げますか。」
「永遠の命」というのは、聖書においては中心テーマですけれども、普段教会と関わっていない方にとっては、何のことかと思われるかもしれません。そこでとりあえず、神の祝福、神がわたしを愛してくれる、くらいに考えてもらっても大きく違いません。
先ほどの自信満々の人は、自分は聖書もよく読んでいるし、神から永遠の命をもらうことができる、あとは自分がちょっと頑張ればいい、このように考えていたようです。特に必要はないけれど、この先生をからかってやろう、そんな気楽な思いで質問をしたのかもしれません。
ところが、イエスは、この人に逆に質問をしています。「あなたはどう思うのか?」そこで、この人は、聖書の知識で答えます。「神と人を愛することだ」。するとイエスは、「ではその通りにすればいい」と切り返します。こう言われて、引っ込みのつかなくなったその人は、「じゃあ、私が愛するべき人は誰ですか」と尋ねています。(ルカ10:25-29参照)
でも、ここに、人間の本当の姿が現れています。誰を愛したらいいか、と条件を付けようとする人は、実は、誰も愛せないものであることがはっきりするのです。しかし、イエスは、私たち人間を、人を愛することができるものに変えるためにやってきたのです。