おはようございます。仙台カナン教会の今井献です。
今月は、ルカ福音書からキリストの誕生について考えたいと思います。
キリストが大祭司たちによって十字架につけられたこと、また、キリストの登場により神殿礼拝が廃止されたことは、よく知られています。しかし、クリスマス物語は、1章5節以下、祭司ザカリアから始まります。「ユダヤの王ヘロデの時代、アビヤ組の祭司にザカリアという人がいた。その妻はアロン家の娘の一人で、名をエリサベトといった。二人とも神の前に正しい人で、主の掟と定めをすべて守り、非のうちどころがなかった。…エリサベトは不妊の女だったので、彼らには、子供がなく、二人とも既に年をとっていた。」(ルカ1:5-7)
この老夫婦は、旧約宗教の体現者であるといえます。神殿の中での儀式の最中、天使ガブリエルによって、祭司ザカリアに、旧約の民が待ち望んだ神の救いが始まることが伝えられました。そして、この二人から、キリストの先駆けである洗礼者ヨハネが生まれ、キリストの誕生へと話が進んでいきます。
老人ザカリアは、長く続いた旧約宗教の終りをあらわし、旧約宗教が待ち望んだメシア誕生の物語へとつながっていきます。このメシア誕生こそ、祭司ザカリアの願いそのものです。キリストの誕生は、天地創造から始まる旧約聖書、また旧約宗教の続きであることを理解してください。