おはようございます。日本キリスト改革派の東仙台教会で牧師をしております、尾崎純と申します。
「キリスト教というのは、西洋の宗教ですね」と言われることがあります。しかし、キリストが働いた地域は、アジアとヨーロッパとアフリカが接する所で、厳密にはアジアです。
そして、それ以上に大事なことに、世界の多くの国々と同じように、日本も、キリスト教に由来するシステムを当たり前のように導入しています。私たちがお世話になることもある「病院」というところは、キリスト教に由来します。病院の地図記号に十字架が描かれていることを、ご存じの方もおられるでしょう。
実は、キリスト教以前に、病院というものはなかったのです。昔々の医療は、今で言うところの往診が基本でした。お金のある人がお金を払って、医者を自分の家に呼んで、治療を受けるのです。では、お金のない人はどうするのでしょう。捨てられたように寝ていることしかできません。
古代のキリスト教徒たちは、そのような人たちを見捨てないという思いで、一つの場所に集め、医者を雇って治療に当たらせたのです。病院のことを英語で「ホスピタル」と言いますが、その言葉は元々は、ギリシャ語で「おもてなし」を意味する言葉です。人を見捨てずに、おもてなしするのです。神はどのような人も、見捨てることはないのです。