キリストへの時間 2022年11月27日(日)放送  キリストへの時間宛のメールはこちらのフォームから送信ください

山下正雄(ラジオ牧師)

山下正雄(ラジオ牧師)

メッセージ: 祈り続ける大切さ

【高知放送】
     

【南海放送】
     

 おはようございます。ラジオ牧師の山下正雄です。
 主イエス・キリストが教えてくださった祈りに、「主の祈り」と呼ばれる短い祈りがあります。この祈りの言葉は、二つの福音書の中に、それぞれ違った言葉で伝えられています。マタイによる福音書の6章に記されている「主の祈り」の言葉は、ルカによる福音書11章に記された「主の祈り」の言葉よりも、長い言葉で記されています。

 その違いよりも、もっと興味深い違いは、「主の祈り」についてお語りになった後で、キリストは、どんなことを弟子たちに教えておられるか、ということです。おそらく、イエス・キリストは、ことあるごとに、「主の祈り」について弟子たちに話されたのでしょう。それぞれ語られる状況も違えば、受け取る弟子たちの側にも、理解の違いがあったことでしょう。

 ルカによる福音書には、「主の祈り」についてお語りになったキリストが、引き続き弟子たちに、祈りについてお語りになった様子が記されています。イエス・キリストは、弟子たちにお尋ねになります。もし、真夜中に、友人の家にパンを借りに行ったとしたら、どうあしらわれるでしょうか。すぐに戸を開けてパンを貸してくれる友人など、まずいないでしょう。しかし、何度もお願いすれば、きっと起きてきて願いをかなえてくれるに違いない、とキリストはおっしゃいます。それも、友人だからという理由ではなく、しつこく頼まれるからだと言うのです。

 人間でさえそうであるなら、神は求める者たちに応えてくださらないはずはない、とキリストは畳みかけます。そればかりか、神は、人が求める以上のものを備えてくださるお方であることを教えておられます。

 このルカによる福音書には、他の福音書と比べて、祈る姿のイエス・キリストがたくさん登場します。洗礼者ヨハネから洗礼を受けられるときも、12人の弟子たちをお選びになるときも、また、十字架の上でさえ、祈られるキリストの姿を描き続けます。イエス・キリストは、ご自身の祈りの生活の中でも、祈りについての教えの中でも、祈り続けることの大切さを示しておられます。

 求め続けるように、探し続けるように、そして門をたたき続けるようにと、キリストは教えてくださっています。それは、神が頑固者だからではありません。私たち人間の側が、祈る前からあきらめ、祈って答えが与えられても、その答えを受け止めようとしないからです。

 求め続け、探し続け、門をたたき続けることで、私たちの心が神に対して開かれていき、神が与えてくださるもっとも素晴らしい答えに気が付くようにされるのです。こうして、神と私たちの関係は、一回限りの祈りの関係ではなく、人生の折々で、絶えず祈り続ける私たちと、絶えず祈りに耳を傾けてくださる神との関係に高められていくのです。

 生きていく上で、呼吸することが欠かせないのと同じように、祈りもまた、神と共に歩む生活の中で、欠かすことができない存在なのです。



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