キリストへの時間 2022年8月28日(日)放送  キリストへの時間宛のメールはこちらのフォームから送信ください

唐見敏徳(忠海教会牧師)

唐見敏徳(忠海教会牧師)

メッセージ: 魂の食事

【高知放送】
     

【南海放送】
     

 「キリストへの時間」をお聞きの皆さん、おはようございます。忠海教会の唐見です。
 今年の4月3日、ラスベガスのMGMグランドで、第64回グラミー賞が開催されました。新型コロナのオミクロン株の感染拡大によって、時間と場所を変更しての開催でした。80を超える部門に10から5つの個人あるいはグループがノミネートされる、世界で最も大きな音楽賞です。

 今回、最も注目されたアーティストの一人は、ジョン・バティステでした。彼は、最多の11部門にノミネートされ、主要部門の一つ、最優秀アルバム賞を含む、最多5部門で受賞しました。ルイジアナ州の音楽一家に生まれた彼は、ファミリーバンドで音楽キャリアをスタートさせます。ニューヨークの名門ジュリアード音楽院で学び、そこで出会った仲間と「ステイ・ヒューマン」を結成。自身のグループの活動以外でも、ジャズ、R&B、ロック、ヒップホップ、クラシックなど、さまざまなジャンルのアーティストと共演してきました。ハーレムにあるナショナル・ジャズ・センターの共同音楽ディレクター、人気テレビ番組の出演と音楽ディレクター、映画音楽、教育やファッション、社会的な活動にも積極的に関わるなど、多方面で活躍しています。

 30代後半に差し掛かったジョン・バティステですが、多くの人に豊かな才能を認められながらも、これまで、グラミー賞を含め、大きな賞には縁がありませんでした。社会運動に積極的に関わっている黒人だから扱いにくい、というのはひねくれた見方でしょうか。今回のグラミー賞11部門ノミネート、5部門での受賞は、ようやく正当に評価されたという感じがします。

 彼自身のバンドであり、トーク番組のハウスバンドでもある「ステイ・ヒューマン」の曲に、「Let God Lead」という曲があります。パウロの第一コリント13章13節「信仰と、希望と、愛、この三つは、いつまでも残る。その中で最も大いなるものは、愛である。」、あるいは「神は愛」などヨハネ文書の愛に関する聖句を背景に、他者に対して、特に助けを必要としている人々に、愛の業を行うことを訴えています。

 彼は、クリスチャンであることを公言しています。先日、音楽ディレクターとハウスバンドのリーダーを務めているトーク番組のホスト、スティーブン・コルベアとの会話の中で、最も使用しているスマホのアプリのひとつに、聖書のアプリを挙げていました。極めて多忙な日々を送っているはずですが、1日の中で、必ず心を静めて、聖書の言葉に耳を傾け、味わう時間を持っているようです。創作活動を「スピリチュアルなプロセスだ」と語る彼にとって、おそらくインスピレーションの源として、この静かな時間は、なくてならない大切な時のようです。

 心を静めてみ言葉と向き合う時間の大切さは、誰にでも当てはまります。有名な聖句の一つに、「人はパンだけで生きるものではない。神の口から出る一つ一つの言葉で生きる」(マタイ4:4、申命記8:3参照)があります。身体を維持するための食事とともに、魂の食事として、神の言葉、すなわち、聖書の言葉をいただく必要がある、ということですね。

 人間は、言葉を使って物事を考え、言葉を使ってそれを他者に伝え、そして、言葉を使って他者の思いを聞きます。逆に、もし言葉がなければ、物事を考えることができず、他者とコミュニケーションをとることができません。言葉は、人間にとって本質的に重要なものであり、言葉によってわたしたちは形づくられている、ということもできます。肯定的な言葉は、肯定的な思考と行動につながっていくでしょうし、反対に、否定的な言葉は、否定的な思考、行動につながっていくでしょう。

 神の言葉、すなわち、聖書の言葉は、あなたを励まし、力づけ、人生の歩みを照らし、キリスト・イエスへの信仰を通して救いに導く知恵を与えてくれます。「キリストへの時間」も、かけがえのない魂の食事として用いられることを願っています。



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