キリストへの時間 2022年7月10日(日)放送  キリストへの時間宛のメールはこちらのフォームから送信ください

高内信嗣(山田教会牧師)

高内信嗣(山田教会牧師)

メッセージ: きまZ

【高知放送】
     

【南海放送】
     

 おはようございます。高知県香美市土佐山田町で牧師をしています、山田教会の高内信嗣です。
 毎年、現役女子中高生100人が調査する「JC・JK流行語大賞」というものがあります。「ヒト部門」「モノ部門」「アプリ部門」「コトバ部門」に分かれていますが、昨年、「コトバ部門」で1位になった言葉は、「きまZ」という言葉でした。とても意味不明な言葉です。あるYouTuberが発したことによって、広まったそうです。

 これは一体、どういう意味なのでしょうか。「きまZ」は、単純に「きまずい」という意味だそうです。また、ネットの別のランキングでは、1位が「きまZ」で、4位に「きまず」という言葉がランクインしていました。これも、「きまずい」という意味です。ほとんど変わらんやないかい!、とツッコミを入れたくなりましたが、若者たちも、「きまずさ」で悩んでいるということが、良く分かりました。生きていると、気まずくなる場面、よくありますよね。

 実は、聖書の中でも、とてもきまずい場面があります。ヤコブという人が、兄エサウと再会する場面です。ヤコブは、双子の弟でした。当時の世界では、お兄さんに、多くの特権が与えられることになっていました。ヤコブとエサウの父であるイサクは、兄エサウに、神の祝福を与えようとしていました。ヤコブは、ヤコブを愛していた母の指示に従って、目の不自由な父を欺き、エサウがもらうはずだった神の祝福をだましとってしまいました。

 兄エサウは、このことをとても恨んで、ヤコブを殺そうと思っていました。そのことに気づいた母は、ヤコブを遠くへ逃がします。兄を裏切った過ちによって、ヤコブは、家から離れなければなりませんでした。ある時、野宿をしていた彼は、夢の中で、神様と出会う体験をします。神様はヤコブに語りかけ、約束されました。「わたしはあなたと共にいる。」そこから、ヤコブはどんどん砕かれていきます。神の大きさに気づいた彼は、自分の小ささを自覚していきます。(創世記27-28章参照)

 そして、長い年月が流れ、ヤコブは、エサウと再会します。とても気まずい場面です。いや、きまずいなんて生易しい状況ではありません。かつて、兄は、ヤコブを殺そうとしていました。聖書には、こうあります。「ヤコブはそれから、先頭に進み出て、兄のもとに着くまでに7度地にひれ伏した。」(創世記33:3)。ですが、ここで、もう兄を欺いたヤコブの姿はありませんでした。ヤコブは、兄のもとに着くまでに、7回も地にひれ伏しました。もちろん、恐れがあったからです。しかし、その恐れというのは、エサウに赦しを願う恐れです。神の前で砕かれたヤコブは、かつて欺いたエサウの前でも砕かれていました。

 兄エサウももう、ヤコブを憎む心はありませんでした。「エサウは走って来てヤコブを迎え、抱き締め、首を抱えて口づけし、共に泣いた。」(創世記33:4)。二人は和解したのです。ここに、神様の不思議な導きがありました。

 世の中には、色々なことがあります。許せないという体験もあれば、許すことができないことも、当然あります。対人関係の中で、きまずい場面もあります。恐れを抱く体験もあります。それでも、神様は、私たちの人生を不思議な形で導いてくださる方です。神様という大きなお方と向かい合う時、私たちは、砕かれます。今日も、神様の前で、心砕かれて生きていきたいと思います。神様に委ねていきたい。神様は、あなたの人生と共にいてくださり、必ず、主の目にかなった良い方向へと導いてくださいます。



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