キリストへの時間 2022年7月3日(日)放送  キリストへの時間宛のメールはこちらのフォームから送信ください

高内信嗣(山田教会牧師)

高内信嗣(山田教会牧師)

メッセージ: 人生のハーフタイム

【高知放送】
     

【南海放送】
     

 おはようございます。高知県香美市土佐山田町で牧師をしています、山田教会の高内信嗣です。
 私は、サッカーをテレビで観戦することが趣味です。今年の11月には、ワールドカップが、カタールで開催されます。今から、とてもワクワクしています。サッカーやラグビー、アメリカンフットボールなどのスポーツには、ご存じのように、前半戦と後半戦の間に、「ハーフタイム」があります。テレビではその時間、試合のハイライトももちろんありますが、コマーシャルが、とても長く続きます。私にとって「ハーフタイム」は、とても退屈な時間です。

 しかし、選手たちにとっては、とても大切な時間です。前半を全力で駆け抜けた選手たちは、この時間に十分な休養を取ります。また、ただ休むだけではありません。コーチの指導のもと、前半戦で学んだことを、後半戦に生かすためのミーティングをするのが通常です。

 2002年日韓ワールドカップの、日本対チュニジア戦の貴重なロッカールームの映像が、動画サイトにあがっていました。中田英寿選手は、厳しい口調で、中田浩二選手に、前半戦の問題点を指摘していました。この映像を見ながら、ハーフタイムは、体を休めるだけでなく、試合の問題点を指摘される、厳しい時間でもあるのだと思わされました。しかし、後半開始2分で、森島選手が、貴重な先制点を決めました。私にとって退屈なハーフタイムは、決して無駄な時間でないことが分かりました。ひとたび体を落ち着かせること、次のためのミーティングをすること、問題点を指摘されること。試合にも、冷静になってクールダウンする時間は必要だということです。

 さてここで、聖書にある、イエス様の「とある一日」に目を向けてみたいと思います。ある日のこと、日が沈んだ夜に、いろんな病気にかかっている人たちが、イエス様のところへやってきました。病気を治してもらうためです。イエス様は、ひとりひとりに向かい合いました。いったい、何時までかかったのか分かりません。当然、深夜までかかったと思います。私なら疲れ果てて、次の日は昼まで寝てしまうかもしれません。

 しかし、聖書には「朝早くまだ暗いうちに、イエスは起きて、人里離れた所へ出て行き、そこで祈っておられた。」(マルコ1:35)と書いてあります。まだ日が昇っていない内に、イエスは起きて、静かな場所で、一人で祈っていました。夜中まで続く、目まぐるしい一日を終えたイエス様でしたが、朝早く、一人で、神様に祈る時間を大切にしたのです。もちろん、苦しみの中にある一人一人のために祈っておられたのだと思いますし、神様との深い交わりの時間もあったと思います。この時間は、イエス様にとって、目まぐるしい忙しさから離れて、ひとたびクールダウンをする、「ハーフタイム」のような時間だったのではないかと思います。

 時間は、目まぐるしく過ぎ去ります。私たちの人生にも、日常の忙しさから離れて、クールダウンする時間、「ハーフタイム」が必要です。体を休めるというのもそうなのですが、イエス様が大切にされた、「神様との交わり」こそ、私たちには必要です。神様との交わりだけが、私たちに本当の「平安」を与えてくれます。

 日常の忙しさは、ある意味、生きがいを与えてくれることがあります。同時に、忙しさによって疲弊していまい、体調を崩すこともしばしばあります。私たちは、脆いものです。自分の脆さ、弱さを覚える時に、私たちには、神様の支えが必要だと、いつも思わされます。

 神様との交わり、神様の支えがなければ、私たちは本当の意味で、生きていくことはできないのです。神様と向かい合う人生の「ハーフタイム」こそ、私たちに力を与えてくれます。ぜひ、今日の教会の礼拝にも足を運んでみてください。必ず、神様はあなたに平安を与えてくださいます。



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