キリストへの時間 2022年6月5日(日)放送

坂尾連太郎(南与力町教会牧師)

坂尾連太郎(南与力町教会牧師)

メッセージ: 多言語で語り始めた聖霊

【高知放送】
     

【南海放送】
     

 おはようございます。南与力町教会の牧師、坂尾連太郎です。
 本日はペンテコステ、聖霊降臨祭です。イエス様が復活し、天に昇られた後、弟子たちは、イエス様から言われた通り、エルサレムに留まり、聖霊が降るのを待っていました。そして五旬祭、すなわちペンテコステの日、ついに弟子たちに聖霊が降りました。

 今朝は、そのペンテコステの出来事が記されている使徒言行録2章1節から4節をお読みいたします。「五旬祭の日が来て、一同が一つになって集まっていると、突然、激しい風が吹いて来るような音が天から聞こえ、彼らが座っていた家中に響いた。そして、炎のような舌が分かれ分かれに現れ、一人一人の上にとどまった。すると、一同は聖霊に満たされ、“霊”が語らせるままに、ほかの国々の言葉で話しだした。」

 ペンテコステの日、聖霊が、弟子たちの上に降ったとき、不思議な現象が起こりました。「激しい風が吹いて来るような音が天から聞こえ」、「炎のような舌が分かれ分かれに現れ、一人一人の上にとどまった」のです。すると、弟子たちは皆、「ほかの国々の言葉」で話し出しました。彼らが、ひそかに外国語を勉強していたわけではありません。弟子たちは聖霊に満たされ、聖霊が語らせるままに、他の言語で話し始めたのです。聖霊降臨に伴い、「炎のような舌」が一人一人にとどまりましたが、「舌」と訳されているギリシア語は、「言語・言葉」という意味もあります。聖霊はこの時、「炎のような舌」として、弟子たちが、外国語で話す舌をそれぞれにお与えになったのです。

 しかしなぜ、ペンテコステの時、このような不思議な出来事が起こったのでしょうか。この出来事の背景として、創世記11章に出てくる「バベルの塔」の事件があると考えられます。そこを読みますと、もともと世界中の人々は、同じ言葉を使って、同じように話していました。しかし人々が、「さあ、天まで届く塔のある町を建て、有名になろう。そして、全地に散らされることのないようにしよう」(創世記11:4)と言って、塔を建て始めました。

 それを見た神様は、次のよう言われました。「彼らは一つの民で、皆一つの言葉を話しているから、このようなことをし始めたのだ。これでは、彼らが何を企てても、妨げることはできない。我々は降って行って、直ちに彼らの言葉を混乱させ、互いの言葉が聞き分けられぬようにしてしまおう。」(創世記11:6-7)。このように、人間は不遜にも天にまで届く塔と建て、神のようになろうと企てた結果、神様によって、言葉を混乱させられ、全地に散らされてしまったのでした。

 しかし、ペンテコステの日、イエス様の弟子たちに聖霊が降ると、彼らは、様々な国の言葉で「神の偉大な御業」、すなわち、イエス・キリストにおける神の救いの御業を語り始めたのでした。その時、エルサレムには、「天下のあらゆる国」から、多くのユダヤ人がやってきて滞在していました。彼らは皆、自分の故郷の言葉が話されているのを聞いて、非常に驚き、とまどいました。中には、「あの人たちは、新しいぶどう酒に酔っているのだ」と言ってあざける者もいました。

 このように聖霊は、「バベルの塔」の以来、ばらばらになってしまった様々な言語で福音を語り始め、それぞれの国の人が、自分の言葉で福音を聞くことができるようにしたのです。このような聖霊の働きは、今も続いています。もちろん、それは今でも、聖霊を受けた人が、いきなり外国語を話し出す、ということではありません。しかし、今も、世界中で、様々な言語で、福音が、イエス・キリストにおける神の偉大な御業が、宣べ伝えられています。このラジオでも、日本語で福音が語られ続けてきました。そのような働きの背後には、実は、ペンテコステの日に降った聖霊の働きが続いているのです。

 そして、聖霊がそのように働いている目的は、世界中のすべての人々が、自分の国の言葉で福音を聞き、信じ、救われるために他なりません。神様は、今も聖霊によって働き、世界中のすべての人々を救いへと招いておられます。様々な言葉を話す国々の民が、ばらばらに散らされたままではなく、キリストによって救われ、キリストにおいて「一つ」になることを、神様は望んでおられるのです。国と国、民族と民族が対立し、争い合うことは、決して神様の御心ではありません。むしろ、すべての国、すべての民族が、キリストにおいて「一つ」になることを、神様は望んでおられます。そしてそのために、神様は今も、ペンテコステの日に降った聖霊を通して、働き続けてくださっています。



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