【高知放送】
【南海放送】
おはようございます。高知県芸陽教会の大宮季三です。
私は大阪出身なのですが、大阪には、大阪名物と呼ばれる美味しいものがたくさんあります。その一つが、某有名企業の「豚まん」です。関東の方では、豚まんには何もつけずに食べる人が多いそうですが、大阪では、多くの人が豚まんにからしを塗ります。高校生の時に、この豚まんを作っている某有名企業の幹部の方の、からしの塗り方を知りました。
それは、豚まんの裏側に塗るというものでした。この豚まんの裏側には、薄い松の木が敷かれています。これが豚まんとくっついていて、なかなかうまく剥がすことができません。剥がすと、豚まんの皮も一緒に剥がれ落ちてしまいます。ですので、これを剥がしてからしを塗るという塗り方は、それまで試したこともありませんでした。ですが、この塗り方を試してみると、一味も二味も変わったような気がしました。私はそれまで、豚まんの上側にからしを塗っていました。この豚まんは、皮が分厚いことが一つの特徴です。ですので、特に分厚い上側に塗ると、一口目はからしと皮だけになってしまうことがあります。ですが、裏側に塗ることによって、より中のあんと絡みやすくなります。「やっぱり作った側の人の言うことは聞くべきだなぁ」と思いました。
ところで、聖書には、たくさんの神様の掟が記されています。「人のものを盗んではならない」、「貪欲になってはいけない」、「嘘をついてはいけない」と聖書は教えます。さらに、イエス・キリストは、実際の行動に現れなかったとしても、そのようなことを心の中で抱くことの問題をも指摘されました。聖書はこのように、とても厳しい戒めを教えています。
これらの聖書の戒めを見る時、私たちが忘れてはならない大事な点は、このルールを定めておられるのは「世界と人間を造られた方だ」という視点です。誰よりも、世界と人間のことを知っておられる方が、定めておられるルールです。聖書に記されている戒めは、世界を造られた方が定められた、世界と人間にとっての最善のルールです。
さらに、世界と人間を造られた方は、ご自身の愛する独り子の命を私たちに与えてくださったお方です。我が子を与えるほどに愛を向けてくださっている方が、意味もなく、私たちを息苦しくさせる戒めを与えるわけがありません。
先ほどあげた、人のものを盗らないこと、貪欲にならないこと、嘘をつかないことが、完全に体現している社会を想像すれば、その掟がいかに素晴らしいことかと思います。今よりも、どれほど平安に過ごせるかと思います。そのように考えていくと、聖書の戒めのひとつひとつが、私たちへの配慮に満ちた、神様の愛に満ちた教えであることがわかるのではないでしょうか。
世界を造られた方、独り子を与えるほどに、世界と私たちを愛しておられる方。その方が教えておられる最善のルールとは何か。教会は、今日もそのことを宣べ伝えています。