いかがお過ごしですか。羽生栄光教会の村田寿和です。
新約聖書のマルコによる福音書は、ヨハネから悔い改めの洗礼を受けられたイエス様に、天が裂けて、神の霊である聖霊が、鳩のように降ったことを記しています(マルコ1:10参照)。
その昔、神の民であるイスラエルでは、王になる人の頭に油を注ぐという儀式を行いました(サムエル上16:13参照)。油を注ぐことによって、目に見えない神の霊が注がれたことを表したのです。神様は、天を裂き、直接、イエス様に神の霊、聖霊を注がれました。そのようにして、イエス様を、御自分の民イスラエルの油注がれた者、メシア、王とされたのです。
そして、そのことを、天からの声によって、はっきりと宣言されました。「あなたはわたしの愛する子、わたしの心に適う者」(マルコ1:11)。この天からの声は、神様によって聖霊を注がれたイエス様が、神の民であるイスラエルの王となったことを示しています(詩編2:7参照)。また、イエス様が、神様の愛する独り子であり(創世記22:2参照)、神様の御心を行う主の僕であることを示しています(イザヤ42:1参照)。
ここで注意したいことは、マルコによる福音書において、霊が鳩のように降って来たのを見たのも、また天からの声を聞いたのも、イエス様だけであるということです。イエス様が、聖霊を注がれたイスラエルの王であり、神の独り子であり、主の僕であることは、イエス様の言葉と業(わざ)によって、これから人々に示されていくのです。