ごきげんいかがですか。東川口教会の櫻井良一です。
聖書には、マルタとマリアという性格が対照的な二人の姉妹が登場します。姉のマルタは、活動的で世話好きな女性です。それに対して、妹のマリアの方は、どちらかと言うといつも物思いにふけるような静かな女性でした。
ある日、この二人の家に、イエスさまがやって来ました。姉のマルタは、イエスさまや他のお客さまをもてなすために忙しく働きます。ところが、妹のマリアはと言うと、何もしないでイエスさまの前に座って、そのお話を聞いていたと言うのです。
実は、当時のユダヤ人の社会では、聖書のお話を聞くというような宗教的な勤めは、男子だけがすればよいと言う習慣がありました。女性は、家の仕事を忠実に行うことで、男性に仕えるのが義務だと考えられていたのです。ですから、姉のマルタは、当時の社会の習慣に従った、たいへん模範的な女性と考えることができます。
しかし、イエスさまは、このマルタではなく、妹の「マリアは良い方を選んだ」と言われたのです。このことから、イエスさまは、男も女も神様の言葉に耳を傾ける必要があることを教えてくださったことが分かります。なぜなら、その人が男であっても女であっても、まず、神さまの福音を知ることが、喜びに満たされた人生を生きる秘訣となるからです。
イエス・キリストの言葉「マルタ、マルタ、あなたは多くのことに思い悩み、心を乱している。しかし、必要なことはただ一つだけである。マリアは良い方を選んだ。それを取り上げてはならない。」ルカによる福音書10章41節から42節です。