ごきげんいかがですか。東川口教会の櫻井良一です。
聖書には、マルタとマリアという性格が対照的な二人の姉妹が登場します。姉のマルタは、活動的で世話好きな女性です。それに対して、妹のマリアの方は、どちらかと言うといつも物思いにふけるような静かな女性でした。
ある日、この二人の家に、イエスさまがやって来ました。そこで、姉のマルタは、イエスさまや他のお客様をもてなすために忙しく働きます。ところが、妹のマリアはと言うと、何もしないでイエスさまの前に座って、そのお話を聞いていたと言うのです。これに腹を立てた姉のマルタは、イエスさまにむかって、「妹をなんとかしてください」と文句をつけました。
この物語では、イエスさまのお話を静かに聞いたマリアが優れている、と評価され、マルタはダメだと考える人が多いようです。しかし、私たちがここで注意したいのは、マルタがイエスさまのために働いたことは、決して悪くはなかったと言うことです。なぜなら、聖書では、このように愛を持って人に仕えることはよいことだ、と教えられているからです。
イエスさまは、「自分は人に仕えられるためではなく、仕えるために来た」(マルコ10:45参照)と言われています。多分、イエスさまは、マルタの愛の行為を一番よく理解していたのだと思います。だからイエスさまは、「マルタ、マルタ」と優しく語りかけて、彼女が喜びを取り戻す方法を教えてくださったのです。
イエス・キリストの言葉「マルタ、マルタ、あなたは多くのことに思い悩み、心を乱している。しかし、必要なことはただ一つだけである。マリアは良い方を選んだ。それを取り上げてはならない。」ルカによる福音書10章41節から42節です。