おはようございます。花見川キリスト教会牧師の中山仰です。
埼玉県の吉見に、「百穴」という名所があります。数十メートルの高さの山肌に、穴がたくさん開いていて、遠くからでもすぐに分かります。その穴から古代の土器などが出て来て、古くから人間が住んでいたのが分かったと説明されていました。
ただし、初めからそんなに多くの穴があったのかどうかは定かでありません。というのは、たくさんの穴の幾つかは、外国人労働者の力を借りて、人為的に堀ったものだからです。第二次大戦で空襲が激しくなってきて、多くの軍需工場が壊滅的な被害を受けました。その時に、この穴を利用して、そこで兵器などを製作する予定だったそうです。
しかし、ついにその完成を見ることなく、穴だけ掘って終戦に至りました。その時、その穴堀りを担当してくれた外国人労働者たちと、お別れに、彼らの国の花である木槿(ムクゲ)の木を植えて、平和のシンボルとしたそうです。
創造者である神は、私たち人間が暮らすために必要な住居だけでなく、食物や着るもの、必要なものすべてを与えてくださいました。人間は、それらを利用して平和に暮らすことよりか、戦争や、自分たちの欲望のために用いることを考えがちです。この百穴を見る時に、そのような神の愛と、人間の欲望を重ね合わせてしまいました。彼らの国のシンボルである木槿(ムクゲ)が、平和の象徴とされていることは、良い記念だと思いました。