あさのことば 2022年8月30日(火)放送    あさのことば宛のメールはこちらのフォームから送信ください

川杉安美(草加松原教会牧師)

川杉安美(草加松原教会牧師)

メッセージ: 祈りの奇跡



 ごきげんいかがでしょうか。草加松原教会の川杉安美です。
 イエス様の十字架というのは、私たちの罪の身代わりで裁きを受けてくださった、という救いの業です。全く罪のないお方が、古今東西の罪の罰を身代わりで受けるという、大変な苦しみです。

 さすがのイエス様も、十字架を前にして心が動揺し、夜、何時間もかけて必死にお祈りをしました。最初、イエス様は、できることなら十字架を過ぎ去らせてほしいと祈りました。ただし、父なる神様の御心がなるように、と言いながらですが。次に、やはり自分がやらなければならないのなら、神様の御心が行われるように、と祈ります。そして、長い祈りが終わった後は、近くにいた弟子たちに「立て、行こう」と言って、堂々と十字架に向かって行きました。

 つまり、必死のお祈りを通して、自分の願いを押し通したのではなかったのです。自分の願いを言いながらも、父なる神様の御心に従えるように願った、ということです。そして、結局、自分が堂々と従えるように、変えられたということです。

 ここに、祈りの力があります。祈りというと、私たちはつい、自分の願いを押し通そうとしてしまいがちになります。もちろん、それが御心にかなうことなら聞かれます。それも、神様の恵みと言えるでしょう。

 しかし、祈りによって自分の方が変えられていき、神様の御心に従って行けるようになる、これもまた、祈りによる奇跡です。神様の御心は、最善のはずです。私たちにとって、最も良いことのはずです。そのことを、自分も喜んで受け入れるように、祈りによって変えられていく、自分が作り変えられていく、これも、奇跡ではないでしょうか。

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