山下正雄（ラジオ牧師）

メッセージ： 小さな水漏れも

　おはようございます。ラジオ牧師の山下正雄です。
　今週は、水にまつわるお話を聖書から取り上げています。

　昔話に、「ふるやのもり」という話があります。「ふるやのもり」とは、古い家の雨漏りのことです。なかなか寝付かない孫が、「この世の中で一番怖いものは何？」と尋ねたのに対して、泥棒よりも狼よりも怖いのは「ふるやのもりだ」、とおじいさんおばあさんは答えます。たまたま、その家の馬を狙って忍び込んだ泥棒と狼は、それを聞いて、自分たちよりも怖いものがいると戦々恐々する話です。

　聖書の中にも、水漏れを題材としたこんな格言があります。「いさかいの始めは水の漏り始め。裁判沙汰にならぬうちにやめておくがよい。」

　雨漏りにしろ、水漏れにしろ、はじめはぽたぽたと垂れるだけで、大したことはないと思いがちです。しかし、やがては大きな被害をもたらし、取り返しのつかないことになってしまいます。聖書の知恵は、揉め事もそれに似ていると教えます。小さないさかいの内にやめておくように、と言うのです。とことん争って、失うものの方がはるかに大きなことがあるからです。和解と平和の道を求めることこそ、神が教える知恵なのです。

　きょうのみ言葉「いさかいの始めは水の漏り始め。裁判沙汰にならぬうちにやめておくがよい」旧約聖書箴言17章14節