おはようございます。銚子栄光教会の牧師、佐野直史です。今日も聖書の言葉に聞きたいと思います。
ある時、イエス・キリストが、ナインという町に行かれると、愛する息子を亡くし、涙を流している女性と出会われます。その母親は、やもめであって、死んだ息子は一人息子でした。
彼女は、愛する夫に先立たれただけでも、深い悲しみを負っていたと思いますが、さらに追い打ちをかけるように、愛する一人息子が死んでしまったのです。私たちの想像を絶する深い悲しみと痛みが、彼女の内にはあったのだと思います。彼女は、人間の力ではどうすることもできない、理不尽なまでに迫り来る死の力を前に、ただ立ち尽くし、涙を流していたのです。
イエス様は、そんな彼女の姿をご覧になり、深い憐れみの心を持たれて、「もう泣かなくともよい。」(ルカ7:13)と語り掛けられました。そして、死んだ息子の棺に手を触れ、「若者よ、あなたに言う。起きなさい。」(ルカ7:14)と言われると、驚くべきことに、死んでいた息子はよみがえり、起きて立ち上がったのです。イエス様は、息子を母親にお返しになり、その涙を消し去ってくださったのです。(ルカ7:11-17参照)
私たちも、どうすることもできない死の力を前に、ただ立ち尽くすことがあるかもしれません。愛する人の死を目の前にして、涙を流し続けることがあるかもしれません。しかし、神様は、そういう私たちのもとを訪れてくださるお方です。深い憐れみの心をもって、死に打ち勝つ、永遠の命の恵みを与えてくださるお方です。その神様が、「もう泣かなくともよい」と、あなたに語り掛けておられます。