皆さんいかがお過ごしですか。湘南恩寵教会の坂井です。
今はとても闇が濃い時代ですけれど、皆さんの魂が守られますようにと祈っています。今、暗闇しか見えない方もおられるかもしれません。実は聖書にも、暗闇の中で喘ぎ、もがき、戦い、生き悩んだ人たちの、祈りと苦悩が刻まれています。そして、そこに注がれた救いの光もまた、証しされています。
今日は、新約聖書のルカ福音書8章26節からに記されております、ゲラサの人レギオンの物語を紹介します。ただ、レギオンというのが、この人の名前と言っていいのかどうか迷います。それは、「六千人部隊」の大軍団を意味する言葉で、彼の中に、たくさんの悪霊たちが入っていることを示す名前だったからです。
この人は、汚れた霊にとりつかれてしまって錯乱し、もはや通常の社会生活を送ることができないで、素っ裸で、墓場を住まいとしていたと書かれています。尋常じゃありません。非常に狂暴であるがゆえに追いやられたのか、とにかくこの人は、死んだ者の集まる場でしか、もう生きられない。その意味で、もう死んでいる者として扱われていた人でありました。暗闇に追いやられ、見捨てられた人でした。
でもそこに、イエス様が来られます。そして、彼にとりつく悪霊を、近くにいた豚の群れのほうに追いやられます。すると驚くべきことに、豚の群れは狂乱して、雪崩を打って湖へと飛び込んでいき、実に2000匹の豚が次々と溺れ死んでいきます。聖書の中でも一際異様なすさまじい物語です。地獄絵図です。
でも、そうやってイエス様は、2000匹の豚を犠牲にしてまでも、レギオンを絶望的な地獄から救い出してくださったのです。彼もまた、神にとって大切な、失われてはならない魂だからです。