皆さんいかがお過ごしですか。湘南恩寵教会の坂井です。
今はとても闇が濃い時代ですけれど、皆さんの魂が守られますようにと祈っています。今、暗闇しか見えない方もおられるかもしれません。実は聖書にも、暗闇の中で喘ぎ、もがき、戦い、生き悩んだ人たちの、祈りと苦悩が刻まれています。そして、そこに注がれた救いの光もまた、証しされています。
神と共に歩む神の民として選ばれた、イスラエル民族のルーツであるヤコブという人もまた、暗闇と光を経験しました。ヤコブっていうのは、踵(かかと)っていう意味です。母の胎より生まれて来る時から、双子の兄の踵をつかんで出し抜こうとした、というところからつけられた名前です。そういう、ずるさやしたたかさの目立つ人として、だましだまされ、もめごとだらけの人生を送った人です。
そのヤコブが、若き日に、ひとり家族を離れて荒れ野を旅して、暗い夜を過ごすことになります。兄の怒りから逃れるための旅でした。父親からの祝福をだましとったヤコブを、殺してやると息巻く兄エサウから逃れ、ひとり荒れ野を旅します。荒れ野の夜は恐ろしいまでに闇が深く、獣に襲われる危険も高い。そういう中で、固い石を枕にして、ひとり横たわる。それはあまりにさみしい、失意の夜です。
こんな夜を、皆さんも味わわれたことはないでしょうか。取返しのつかないあやまちを後悔し、ひとりで震えているような夜です。でもヤコブは、そこで、不思議な体験をします。神へと通じる天からの階段の幻を見て、「私はあなたと共にいる」との神の言葉を聴いたのです。その暗い暗い夜にこそ、神との出会いが待っているのです。神はそこに来てくださるのです。(創世記29:10-16参照)