あさのことば 2022年6月27日(月)放送    あさのことば宛のメールはこちらのフォームから送信ください

坂井孝宏(湘南恩寵教会牧師)

坂井孝宏(湘南恩寵教会牧師)

メッセージ: 暗闇と光の物語 イエスを否んだ弟子・ペトロ



 皆さんいかがお過ごしですか。湘南恩寵教会の坂井です。
 今はとても闇が濃い時代ですけれど、皆さんの魂が守られますようにと祈っています。今、暗闇しか見えない方もおられるかもしれません。実は聖書にも、暗闇の中で喘ぎ、もがき、戦い、生き悩んだ人たちの、祈りと苦悩が刻まれています。そして、そこに注がれた救いの光もまた、証しされています。

 たとえば、イエスの一番弟子のペトロです。彼はイエスを愛し、イエスに従って、どこまでもついていきたいと願いました。でも、彼は、そんなに強くありませんでした。イエス様がローマの兵隊にとらえられ、十字架への道を歩み始めたその時、彼は怖くなって、逃げ出してしまい、そして、イエスなど知らないと、三度にわたって否んでしまったということが、聖書にはっきり証言されています。

 そうして三度否んでしまったその時に、ペトロは我に返って、大泣きに泣いたと記されています。どんな思いだったんでしょう。自分が惨めで惨めで、どうしようもなかったのかもしれません。こんな思いを皆さんも味わわれたことはないでしょうか。自分のだらしなさに嫌気がさすという思いで、今、苦しんでいる方もいるかもしれない。

 古来、実に多くの人が、このペトロの姿に自分を見いだしてきました。聖書は、このペトロの恥の記録を隠すことなく永久保存しました。それは、ペトロを責め続けるためではなく、そのペトロに注がれた救いの光を証しするためです。ペトロはその後、復活のイエス・キリストに出会い、赦され、立ち直り、新しい役割を与えられました。そのペトロの再生の物語を、教会は愛してきたのです。

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