ご機嫌いかがですか?神奈川県茅ケ崎市にあります湘南恩寵教会の牧師、坂井孝宏と申します。
先日、おもしろい相談をいただいたんですが、その方が言うには、「愛は裏切るけど、お金は裏切らない」と。それで、あなたはどう思いますか、というわけですけれども。これは、なかなか難しい問いかけですね。こういう時に、愛とお金とどちらのほうが大切なのかと、二項対立的にとらえようとしても、あんまりうまくいかない気がします。
お金が無くても愛があれば生きていける、と信じてやまない人もいらっしゃるとは思いますけれども、やっぱり、私たちには弱さがありまして、生活に窮すれば、心もギスギスしてくるというところがあるんですね、残念ながら。私の信頼している信仰の友人が、こんな風に言っておりました。「やっぱね坂井さん」と。「人は余裕がないと、他者のことを愛せないんだよ。だから僕は、『神様、余裕をください』って祈るんだ」と。
旧約聖書の箴言の言葉を思い出します。箴言の30編の7節から9節です。「二つのことをあなたに願います。わたしが死ぬまで、それを拒まないでください。…貧しくもせず、金持ちにもせず わたしのために定められたパンで わたしを養ってください。飽き足りれば、裏切り 主など何者か、と言うおそれがあります。貧しければ、盗みを働き わたしの神の御名を汚しかねません。」という。
これつまり、神様、多すぎもせず少なすぎもせず、ちょうどいいだけお金を与えて下さい、っていう祈りです。多すぎたら驕り高ぶる、でも、少なすぎれば心が窮屈になってしまう。お金が悪いわけじゃありません。問題なのは、用いる人の心です。ちょうどいいだけ余裕をください。誰かを愛することができるために。皆さんもこんな祈りはいかがでしょうか。