山下正雄（ラジオ牧師）

メッセージ： 怒りを治める知恵

　おはようございます。ラジオ牧師の山下正雄です。
　旧約聖書の箴言にこんな言葉があります。「怒りをおそくする者は勇士にまさり、自分の心を治める者は城を攻め取る者にまさる。」（箴言16:32・口語訳）

　聖書には、神の怒りについての記述がたくさんあります。不義や不正に対する神の怒りは、聖書にとって、ある意味重要なテーマです。それと同じくらい、人間の怒りについても、聖書は取り上げています。人間の怒りは、しばしば一方的で偏っていたり、後先を考えない理不尽な怒りであることが多いように思います。

　それゆえに、聖書の中では、そのような怒りを戒める言葉が多く出てきます。その中でも、先ほど引用した箴言の言葉には興味を惹かれます。「すぐに怒りを爆発させるな」とは言わず、「怒りをおそくする者は勇士にまさる」と語ります。

　人が怒っている姿は威勢がありますが、それは、本当の勇ましさとは違います。怒る気持ちを、勇気を持って少しでも遅らせること、そこが肝心です。それは結局のところ、自分を客観的に観察し、その怒りが正当であるかどうかを判断することです。たとえそれが正当であったとしても、その怒りが愛から出たものであるかどうか、考える時間を持つことです。

　きょうの聖書の言葉「怒りをおそくする者は勇士にまさり、自分の心を治める者は城を攻め取る者にまさる。」旧約聖書箴言16章32節（口語訳）