キリストへの時間 2021年12月26日(日)放送  キリストへの時間宛のメールはこちらのフォームから送信ください

山下朋彦(平和の君教会牧師)

山下朋彦(平和の君教会牧師)

メッセージ: 神の栄光の光

【高知放送】
     

【南海放送】
     

 おはようございます。平和の君教会の山下朋彦です。
 12月は、ヨハネによる福音書のプロローグからお話ししていますが、今日は、その最後です。『神の栄光の光』であるイエス・キリストについて読んでいくことにしましょう。

 今日の箇所(ヨハネによる福音書)1章14節にこう書かれています。「言は肉となって、わたしたちの間に宿られた。わたしたちはその栄光を見た。それは父の独り子としての栄光であって、恵みと真理とに満ちていた。」と。ここでの「言(ことば)」とは、イエス・キリストを指します。そのお方が私たちと同じ、人となってくださって、目で見たり手で触ったりすることができるように神がされた出来事が言われています。これがヨハネによる福音書が示す、クリスマスの本当の意味、恵みなのです。

 でもどうしてなのでしょうか。それは本来神であるお方が、私たち人間の弱さや罪を引き受けてくださって、同じ人になってくださったからです。私たちは食べなければ生きていくことができませんし、休まなければ疲れてしまいます。歳をとれば心や身体に病を抱えて支障をきたらしてしまいます。それだけでなく、罪のためにやがて死を迎えなければなりません。

 そうした弱さや罪を負う身ですが、イエス様がそれらをことごとく、ご自分の身に引き受け、そうして十字架に死んでくださることによって、わたしたちの救いを実現してくださいました。ただちに全てが一挙に解決するのではありませんが、根本的な解決である父の独り子、イエス・キリストを私たちにお与えくださることによってお示しになられたのです。

 ディートリッヒ・ボンヘッファーというドイツ告白教会の牧師がおられます。ナチスドイツに対して信仰をもって戦い、ついにナチス親衛隊によって捕らえられ、絞首刑にされました。1945年4月9日のことです。その前年のアドベントに、彼の友人に書き送った手紙が残されています。そこに彼の願い求めるクリスマスについて記しています。「クリスマスは、もはやその時その場のおとぎの国にしばし逃れ、魔術を試みるような現実逃避ではなく、神が人となって来てくださった確かな事実を、そのままに受け止めることなのだ」と。

 何を言わんとしているのでしょうか。今日、クリスマスがあまりにもきらびやかで、甘美で美しく飾られてしまって、神様のへりくだり、犠牲が覆い尽くされて見えなくなってしまったことをボンヘッファーは鋭く見抜き、強く警告しているのです。

 私たちも、救い主が家畜小屋の飼い葉桶でお生まれになられ、貧しい羊飼いたちがただ御子を拝むためにはせ参じたことを、あらためて思い起こす必要があるのではないでしょうか。どうかリスナーの皆様も神の栄光の光を見るクリスマスをお迎えください。クリスマスおめでとうございます。



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