キリストへの時間 2021年12月19日(日)放送  キリストへの時間宛のメールはこちらのフォームから送信ください

山下朋彦(平和の君教会牧師)

山下朋彦(平和の君教会牧師)

メッセージ: 光を受け入れる者

【高知放送】
     

【南海放送】
     

 おはようございます。平和の君教会の山下朋彦です。
 12月は、ヨハネによる福音書のプロローグからお話ししたいと思います。今日は3回目で、『光を受け入れる者』です。

 皆さんは小さい頃に親しんだ本のことを覚えておられるでしょうか。ある児童作家の方が、大人になって読み返すと味わいや豊かさが増し加わる少年少女向けの本として『赤毛のアン』を紹介してくださっていました。今ちょうどNHKでこの本をもとにした『アンという名の少女』が放映されています。

 その中に、孤児のアンを養子に迎えたマシュー・カスバートというおじさんの、かつてのガールフレンドとの淡い恋をテーマにした回がありました。内気なマシューに代わってアンが代筆をして、二人の仲を取りもとうとしたのですが、それはばれてしまいます。きっとうまくいくと願ったアンでしたが、マシューは帰宅します。返事を待ちわびていたアンにマシューが告げたのは、「一番大切なのは、アン、君だよ。」の一言。嬉しさのあまりアンがマシューに抱きつくシーンが印象的でした。おそらくそうしたやりとりは小さい時にはほとんど汲み取れなかったのではないかと思います。

 今日の箇所(ヨハネ1章)の12節に「しかし、言は、自分を受け入れた人、その名を信じる人々に神の子となる資格を与えた。」と書かれています。この『キリストへの時間』では、「言(ことば)」を「光」と言い換えました。それで『光を受け入れる者』としたのです。けれどもこの御言葉は、すぐその前の節において「言は、自分の民のところに来たが」(ヨハネ1:11)「世は言を認めなかった。」(ヨハネ1:10)とあります。

 クリスマスは、確かに赤子のイエス様がお生まれになられたことをお祝いしますが、そこには、そのお方がこの世から排斥され、十字架にかけられて殺されることが予告されていたのです。つまりイエス・キリストの誕生の中に、すでに十字架の死が視野に納められているのだということです。しかしそうした中にあって、このお方を救い主と信じる者に神の子となる資格をお与えくださる神の恵み、神の祝福が豊かに約束されています。

 よく、どうすれば救われるのですか、という問いを求道者の方から受けることがあります。その答えはただイエス様を救い主と信じ、その名による洗礼を受けなさい、と答えることにしています。クリスチャンになる特別な手立てがあるのではなく、ただ神様の憐れみと真実がそれをなさしめてくださるからです。神のみ言葉の前に自らを空しくして聞き従う以外に、ほかに救われる道はありません。どうか皆さんもそうした祈りをこの機会にささげて、神の子とされますように心から祈ります。


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