【高知放送】
【南海放送】
おはようございます。高知県香美市にある山田教会で牧師をしています、高内信嗣と申します。
さていきなり質問しますが、家庭菜園をしたことがあるでしょうか。最近、私の妻が家庭菜園に興味を持ち、知人から家庭菜園用の土を大量に頂きました。腐葉土(ふようど)や赤玉土(あかだまつち)、鹿沼土(かぬまつち)など色んな種類の土です。早速プランターを購入して、頂いた土を入れ、ルッコラとバジルとシソの種を植えました。毎日忘れずに水をあげていましたら、数日後に芽を出してくれました。家庭菜園をしている方にとっては当たり前のことかもしれませんが、私にとっては初めての経験でしたので、芽が出てくれただけで本当に嬉しかったです。その後ものすごい勢いで成長していき、今はプランターを埋めるほど、緑がいっぱいになっています。
さて、家庭菜園の種と芽のお話をしましたが、実は聖書の中でイエス様が種のお話をしてくれているところがあります。少しお読みいたします。「神の国は次のようなものである。人が土に種を蒔いて、夜昼、寝起きしているうちに、種は芽を出して成長するが、どうしてそうなるのか、その人は知らない。土はひとりでに実を結ばせるのであり、まず茎、次に穂、そしてその穂には豊かな実ができる。」(マルコ4:26-29)
家庭菜園を始めて、あらためて気づかされました。私が知らないうちに種は芽を出して、成長していくのです。イエス様がおっしゃるように私たちが知らないところで種はどんどん成長していきます。
イエス様はこのようなこともおっしゃいました。「神の国を何にたとえようか。どのようなたとえで示そうか。それは、からし種のようなものである。土に蒔くときには、地上のどんな種よりも小さいが、蒔くと、成長してどんな野菜よりも大きくなり、葉の陰に空の鳥が巣を作れるほど大きな枝を張る。」(マルコ4:30-32)からし種というのは本当に小さな種です。でも蒔かれて成長していくと、本当に大きな枝を張る木へと成長するのです。小さい種がどんどん大きくなる。からし種には到底及びませんが、妻が植えたルッコラの種もどんどんと成長していきます。
イエス様はこの種のお話を用いて、「神の国」を私たちに教えています。「神の国」とはイエス様が支配されている領域のことです。イエス様の祝福が与えられる場所と言うことができるでしょうか。また、イエス様の恵みを聞くことができる、また神様の恵みを聞くことができる場所とも言えるでしょうか。
イエス様のお働きは、2000年も昔にガリラヤという田舎の地域で始められました。本当に小さいところから始まったのです。イエス様のお働きも最初は小さい種でした。でもイエス様の恵みは時代を超えて、国境を越えて広がっていったのです。今、私たちがイエス様の恵みを聞くことができているのは、イエス様の蒔かれた種が今も成長し、私たちを包んでくれているからです。
今はパンデミックで多くの人々が不安の中で生きています。神さまがいないのではないかと思う時があります。しかし私たちが不安の中でも、時代が変わっていく中でも、静かに茎はでき、穂を出し豊かな実を結んでいきます。時代や状況が変わっていったとしても、イエスさまの愛は必ずあなたのもとに届けられ、今もあなたに注がれています。