【高知放送】
【南海放送】
おはようございます。松山教会の久保浩文です。
昨年より流行した新型コロナウイルスは、私たちの生活を一変させました。いつも周囲に誰か人がいる環境の中で過ごすことが当たり前のようになっていた時に、突如、人との接触をなるべく避ける、というより、避けなければいけなくなりました。
私は数年前から、生活習慣病予防のために起床後に散歩をすることが日課となっています。冬場は薄暗い寒空の下に出て行き、夏場はタオルを首に巻き、汗を拭きつつお決まりのコースを歩きます。するといつの間にか、同じ時間帯に同じ顔触れに出会い、簡単な挨拶を交わし、犬連れであれば時折、近づいて頭を撫でることもありました。
しかし昨年より、様子が違ってきました。ソーシャルディスタンスをしっかりと保って、人との会話もマスク越しにしなければいけません。さらに、以前にすれ違っていた方にお目にかかる機会が少なくなりました。外出そのものを控えておられるのでしょう。普段から、お一人暮らしの方の中には、周囲から気遣ってもらう機会も話し相手もなく、孤独と不安の中に日々を過ごしている方もおられるのではと思います。
イエス・キリストは30歳ころから世にご自分を現し、宣教活動をされました。各地を巡り、神の言葉を伝え、人々の病をいやされるその場には、いつも弟子たちが共にいました。弟子たち自身を宣教に遣わされた短い期間を除いては、彼らは常に主イエスと生活を共にし、最も身近にそのみ言葉を聞き、御業を目にしてきました。
主イエスは、この世から父なる神のもとへ移る時が迫った時に、愛する弟子たちに対する別れの説教の中で「わたしは、あなたがたをみなしごにはしておかない。あなたがたのところに戻って来る。しばらくすると、世はもうわたしを見なくなるが、あなたがたはわたしを見る。」(ヨハネ14:18-19)
主イエスはご自分の代わりとして聖霊を送ると約束してくださいました。この方は「慰め主」とか「助け主」とか「弁護者」と呼ばれます。イエスは父なる神に願って、もう一人の自分であられる聖霊を派遣されることを約束されました。聖霊は、弟子たちと「共に」おられましたが、イエスが世を去られた後は、弟子たちの「内に」臨在されるようになるのです。聖霊こそ、弟子たちをみなしごにはせず、弟子たちのもとに「戻って来る」イエス御自身です。また「わたしが生きているので、あなたがたも生きることになる。」(ヨハネ14:19)とも言われました。
復活されたイエスは、聖霊において、聖霊を通して、この世に生き続けられるので、弟子たちも生きることになります。弟子たちと共におられた復活の主イエス・キリストは、今を生きる私たち一人ひとりの「内に」も住んでくださり、いつも共に、そばにいてくださいます。私たちが、孤独と不安、様々な恐れの中に置かれても、「慰め主」として慰めと真の平安を与えてくれます。私たちの言葉に表せない心の中の呻きとも、祈りともつかないものであっても、天上の御子キリストは聖霊を通して、父なる神に執り成してくださいます。「この方は常に生きていて、人々のために執り成しておられるので、御自分を通して神に近づく人たちを、完全に救うことがおできになります。」(ヘブライ7:25)