いかがお過ごしでしょうか。東京教会の野島邦夫です。
今回のシリーズでは、救いについての「神の絶対的力と人間の自由意志の問題」という難しい問題、けれども実際の信仰にとっても、重要な問題を考えています。
頭でわかっていても、自分で何とかなるという思いを捨て去り、選び取るべき神の救いを選び取ることが、できない。その根は、自分の力にしがみついて捨てられない強烈な自己肯定欲です。これが人間の現実です。この根を抜くことができるのは神の恵みの力だけです。人の側にできるのは、この神の力に、祈って身を委ねることだけです。
ところがこれを拡大して考えますと、ただじっとして神の恵みが降ってくるのを待つべきか、人間には自分の意志が無いのか、人間は神のあやつり人形か、という疑問が浮かんできます。古来多くの人が悩んだ問題です。
よく次のような説明を聞きます。まず自分が理解し信じる決意をしようとすることが大事だ。ただ99%できても後の1%はどうしてもできない。その肝心な1%を補うのが神の力だと。わかりやすいですが聖書の教えにそぐいません。その根本的な欠陥は、神の力と人間の力を同一平面の上に並べて考えることです。神の力は上の、人の力は下の、別の平面で働きます。神の力に自分を100%委ねて、人も100%力を出す努力が大事です。