野島邦夫（東京教会牧師）

メッセージ： 神の力と人間の力　4神の恵みの力

　いかがお過ごしでしょうか。東京教会の野島邦夫です。
　今回のシリーズでは、救いについての「神の絶対的力と人間の自由意志の問題」という難しい問題、けれども実際の信仰にとっても、重要な問題を考えています。

　キリストの福音を聞き理解して、そして信じる決意をする時、救いは与えられます。改めて強調します。この決意は私の決意であって、誰か他の人が代わることはできません。私が信じて私が救われます。

　ただこれだけ聞きますと、信じるのは私ですから、この決意は私の決意、私の力によるように思えます。果たしてそうでしょうか。もしそうなら、私が弱った時また救いからずり落ちてしまいそうです。

　また、そのような決意が自分の力でできるでしょうか。私たちの心は、頭ではわかっていても欲するべきものを欲することができず、欲してはならないものを欲するという強い思いに縛られていますのに。パウロが「自分が望むことは行わず、かえって憎んでいることを行う」と、キリストを知っても信じられない人間の悲惨さを嘆いた通りです（ローマ7:15参照）。その根は、自分の力にしがみついて捨てられない強烈な自己肯定欲です。

　これを打ち破って人に信仰の決意をさせることができるのは、神の力だけです。福音を聴いた人には既に神の力は働き始めています。聖霊に決意を与えてくださいと祈りましょう。