いかがお過ごしでしょうか。東京教会の野島邦夫です。
今回のシリーズでは、キリスト教を信じたいと願う人が、誰でも一度は考え込む深刻な、また大変難しい問題を取り上げます。
それは…自分の悲惨さと無力に首(こうべ)を垂れてただキリストのみを信じなさいそうすれば救われる、救いは自分の力では全く不可能でありただ神の恵みの力による、と聞いた。その通りです。では私はどうすればいいのか。神の力が働くのをジッと待っていればよいのか。他方、キリストを信じて掴めとも言われるが、これは自分の力に頼ることではないのか。
これは広く「神の絶対的力と人間の自由意志の問題」と呼ばれ、古来人々を悩ましてきました。とても難しい問題ですから、ここで明快な答えを出すことはできませんが、考えるヒントを覚えておくことは大事です。クリスチャンの信仰生活のためにも。
と言うのも、救いは神の力100%というだけでは、積極的な生活態度が生まれないように見えます。しかし、クリスチャンの心の中に自分の力に頼る思い、つまり私は自分の両手で堅くキリストにしがみついている、だから大丈夫だ、という思いが1%でもあれば、深い苦しみが襲う時、思いはそちらに奪われて両手の力は緩むかもしれません。その時再び救いから洩れるのでしょうか。
イヤ、そんなはずはありません。