ごきげんいかがでしょうか。草加松原教会の川杉安美です。
主イエス・キリストの12人の弟子たちのうち、イエス様を裏切ったのはイスカリオテのユダです。彼はイエス様を銀30枚で敵に売り渡します(マタイ26:14-16参照)。そのことをイエス様は最初から分かっていたのでしょうか、途中で分かったのでしょうか。
イエス様が処刑される直前の、最後の晩餐のときのことです(以下マタイ26:17-25参照)。イエス様は12人の弟子たちと食事をしている中で言われます。「はっきり言っておくが、あなたがたのうちの一人がわたしを裏切ろうとしている。」それを聞いて弟子たちは非常に心を痛めて「主よ、まさかわたしのことでは」と代わる代わる言い始めます。すでにイエス様を裏切ろうとしていたイスカリオテのユダも白々しく言います。「先生、まさかわたしのことでは」。するとイエス様は何とも言えない答え方をします。「それはあなたの言ったことだ。」
これはどういうことでしょうか。結局イエス様は最後まで、分かっていながらイスカリオテのユダを名指ししませんでした。他の弟子たちは、最後まで誰が裏切るかは分からなかったのです。おそらくイエス様は、イスカリオテのユダに「それはあなたの言ったことだ。」と答えることによって、ユダ自身に自分の心を省みるように促したのだと思います。また他の弟子たちには、誰が裏切り者であるか最後まで隠し通したのだと思います。
最後の最後まで、ユダに悔い改めのチャンスを与えていたということなのでしょう。それを振り切ったのがユダだったのです。神様の方は、最後の最後まで、悔い改めを期待しておられます。