ごきげんいかがですか。ラジオ牧師の山下正雄です。
朝、目が覚めたら、涙で枕が濡れていたという経験を、ラジオをお聴きのあなたもしたことがおありでしょうか。悲しい夢を見て、気がついたら泣いていたというのであれば、笑って人に話すことができるかもしれません。しかし、現実に悲しい出来事に遭遇して、寝たのか寝なかったのかもわからない朝を迎えて、気がつけば枕が濡れていたというのであれば、その悲しみは背負いきれないほど大きなものです。
詩編の第6編にはそんな悲しみを抱えた人の言葉が記されています。「わたしは嘆き疲れました。夜ごと涙は床に溢れ、寝床は漂うほどです。」(詩編6:7)嘆き疲れるほどの悲しみ、一夜だけではなく、夜ごとに涙するような深い悲しみです。具体的にその悲しみが何であったのかは書いてありません。ただはっきりしていることは、昨日や今日始まった悲しみではないということです。続く苦悩のためにすっかり老いてしまうほどの悲しみです。
出口の見えないこの悲しみの中で、いったい何が心の支えとなったのでしょう。それは、神の憐れみです。人の嘆きに耳を傾けてくださる神の憐れみこそ、悲しみに打ちひしがれる者の心のよりどころです。
きょうのみ言葉…「主はわたしの嘆きを聞き、主はわたしの祈りを受け入れてくださる。」詩編6編10節