ご機嫌いかがですか。ラジオ牧師の山下正雄です。
旧約聖書に登場するアブラハムは、甥のロトとともに暮らしていました。どちらもたいそうな数の家畜を飼っていましたので、もはや、同じ土地で暮らすことはできなくなりました。アブラハムは甥のロトに好きな場所を選ばせ、自分は別な場所で暮らすことにしました。ロトは肥沃な土地を選びました。甥のロトが選んだ土地と比べれば、アブラハムに残された場所は貧弱だったかもしれません。
そのとき、アブラハムが聞いたのは、「さあ、目を上げなさい」という神の言葉でした。自分の身に起こることばかりに気を取られていると、自分も全体も見失ってしまいます。もしアブラハムが、甥のロトが先に選んだ肥沃な土地をいつまでも羨んでいたとしたら、アブラハムの人生はつまらないものになっていたことでしょう。
神の言葉に促されて、アブラハムは足元の土地から目を上げて、自分の周りに広がる世界をあらためて見まわしました。アブラハムが目を上げることができたのは、何よりもまず、彼の心が神を仰いでいたからです。
きょうのみ言葉「さあ、目を上げて、あなたがいる場所から東西南北を見渡しなさい。見えるかぎりの土地をすべて、わたしは永久にあなたとあなたの子孫に与える。」創世記13章14節15節