いかがおすごしですか。ラジオ牧師の山下正雄です。
きょうはクリスマスの前日、クリスマス・イブです。この日の出来事はルカによる福音書に詳しく記されています。
そのころローマ皇帝アウグストゥスから、全領土の住民に登録をせよとの勅令が出たとあります。その命令を受けた人々は、それぞれ自分の故郷に帰って、住民登録をしました。その中にイエスの母マリアもいました。身重の体で、ガリラヤの町ナザレから故郷ベツレヘムまで100km以上の道のりを旅しなければなりませんでした。
しかし、そんな中に、どこへも行かずに野原で野宿をしながら羊の番をしていた羊飼いのことが出てきます。世の中の騒動とは裏腹に、随分のんきな生活を送っていると思われるかもしれません。周りで起こっている騒ぎは、まるで自分たちに関係のない暮らしのようです。その日もどこへ行くとはなく、いつものように羊の番をしていました。ローマ皇帝の権力とは関係のない暮らしをしていたこの羊飼いがうらやましいでしょうか。
いえ、この人たちにはこの人たちの苦しみがありました。一人前の、信用ある人間とは見なされてはいませんでした。まことの救い主はこの人たちのためにも、いえ、差別を生み出している醜い世界にこそ必要です。
きょうのみ言葉「恐れるな。わたしは、民全体に与えられる大きな喜びを告げる。」ルカによる福音書2章10節