いかがお過ごしでしょうか。国立聖書教会の野島邦夫です。
マタイによる福音書の第5章から7章は、イエス・キリストの長い一つの説教です。山の上で教えられましたから、以前は「山上の垂訓」と呼ばれ、今は「山上の説教」と呼ばれます。とても有名です。今回のシリーズではこの「山上の説教」を学びます。
この説教の中にはよく知られた言葉がたくさんあります。代表的な個所を、説明抜きで引用しましょう。「あなた方は地の塩である、あなた方は世の光である。」「みだらな思いで他人の妻を見る者はだれでもすでに心の中でその女を犯したのである。」「悪人に手向かってはならない。」「神と富とに仕えることはできない。」「真珠を豚に投げてはならない。」(これは「豚に真珠」という諺のもとです)「求めよ、そうすれば与えられる。」「狭い門から入りなさい。」など。
それらの頂点が、黄金律と呼ばれる「人にしてもらいたいと思うことは何でも、あなた方も人にしなさい。」です。またこの山上の説教の冒頭の「心の貧しい人は幸いである。」も有名ですね。さあ、皆さんも聞いておられて、これは知っていると思われた言葉が幾つかおありだったでしょう。
しかし、それらの意味を改めて考えられたことはおありでしょうか。実際、この説教の内容はよく誤解されています。まずその誤解を解かなくてはなりません。