新井主一(高島平キリスト教会牧師)
メッセージ:信仰について~イエスさまがおいでになる~
おはようございます。高島平キリスト教会牧師の新井主一です。
今週は、キリスト教信仰について共に考えています。
日本キリスト改革派教会は、来年で創立80周年を迎えますので、その準備をしながら、改めて、創立当時の信仰を学んでいます。
創立メンバーの一人に、岡田稔という牧師がおられました。この先生の著作の中で、とても印象に残ったエピソードがございます。それは、岡田先生が若い日に読んだ「神の人タウレル」という本の中で、生涯思い出さない日がないくらいに心に刻まれた話があった、と先生が記されていたことなのです(「岡田稔著作集4」神学論文)。
「タウレル」というのは、あの宗教改革者マルティン・ルターや、音楽の父と呼ばれたバッハにも多大な影響を与えたドイツの神学者であり、説教者でもあった人物です。そのタウレル先生が、ある日、思索に悩みながらライン川沿いの道を歩いていると、あちらから、見るからに無学な農家の方が、とても嬉しそうな顔をして歩いてきた、ということなのです。
それが不思議でならず、タウレルは、すれ違いざま、彼に、「お前はどうしてそんなに嬉しいのだ。」と尋ねました。すると、その農家の方は、このように問い返した、と言います。「先生様は、キリスト様がおいでになるのにどうして嬉しくないのですか。」この農家の方の一言が、ヨハン・タウレルのその後の歩みを変えた、という話です。
生涯思い出さない日がなかったと言われる岡田稔先生が、どちらの立場でこれを読んだかは、言うまでもないでしょう。キリスト教信仰にとって、何よりも大切なのは、主イエス様が「わたしは…いつもあなたがたと共にいる。」(マタイ28:20)と約束された事実なのです。