今井献(仙台カナン教会牧師)
メッセージ:キリストの平和
おはようございます。仙台カナン教会の今井献です。
今月は、「平和」について考えています。
キリストが与える平和とは、世界に争いや戦争がない、という意味での平和とは違います。争いのない平和な社会は、政治家やお役人、そして、わたしたち一人びとりのたゆまぬ努力によって求めていくものです。また、平和のために、さまざまな宗教が、その違いを超えて互いに協力したり、独自の取り組みをしたりすることもあります。
キリスト者も、世界の平和のために祈り、各自の良心にしたがって、なすべき務めをおこなう責任があります。それでも、世界から争いはなくなっておらず、平和の実現は、並大抵のことではありません。では、「キリストの平和」とは何でしょうか。
イエス・キリストが誕生した時、「天に栄光、地に平和」(ルカ2:14参照)と、天の大軍が平和のおとずれを賛美しました。そして、老人シメオンが赤子イエスを抱いて、神の救いを見たときに、「この僕を安らかに去らせてくださいます。」(ルカ2:29)と神を讃えました。「安らか」とは、天の大軍が賛美した「平和」と同じことばです。キリストの平和・平安が、シメオンにおいて実現したのです。
キリストが与える平和とは、神の救いであり、神の救いを得て与えられる平安、自分の人生に対する満足です。これは、キリストにしか与えることができません。この平和は、人の努力でつくれるものではありません。また、人の手で破壊することもできません。