石川亮(芸陽教会牧師)
メッセージ:平和を求め、人を愛す
【高知放送】
【南海放送】
おはようございます。高知県安芸市本町2丁目森澤病院裏手にある芸陽教会牧師、石川亮です。
今週もまた、この放送をお聞きくださるあなたと共に、御言葉の恵みにあずかることができることを嬉しく思います。
8月15日は、終戦記念日です。芸陽教会では、終戦記念日を迎える週の日曜日は、平和を覚える礼拝を献げています。今年は、終戦から80年を迎えます。太平洋戦争において、日本は、アジア諸国に兵士を送り、日本人もその地域の方も、多くの人が亡くなりました。またそのような地域では、悲惨な出来事もありました。そして、日本においても、多くの人が亡くなり、悲惨な出来事が起こりました。
沖縄では、アメリカ軍と日本軍の間で激しい戦闘があり、沖縄でも多くの人が亡くなっています。また、広島県と長崎県に原子爆弾が落されました。当時、広島は、35万人が住んでいましたが、原爆によって、14万人の方が亡くなり、広島の原爆投下からの3日後に起こった長崎では、約7万人の方が亡くなったと言われています。
広島と長崎の死者の人数は、原爆の爆発によるもので、直接的でないものを含めると、その数以上の方が亡くなっていると考えられています。死者の数やその後の影響を考えると、原子爆弾という兵器は、本当に恐ろしいものであると感じます。
今でも、一部の国が、核兵器を保有しています。最近では、ウクライナとロシアの戦争において、ロシアの大統領が核兵器の使用を示唆するような発言がありました。核兵器による被害は、実際の使用においてだけでなく、実験によっても、人や自然に被害を与えています。多くの人が、この兵器ために亡くなり、傷つき、平和を願うのですが、いまだに核兵器はなくならず、多くの地域で、戦争や紛争が起こり続けています。
戦争や紛争が起こる原因は様々ですが、しかし、根本的な原因は、人間にあります。残念ながら、人は、自分と他人を比べ、どちらが優れているかを考え、それが原因で喧嘩になります。イエスの弟子たちも、「弟子の中で誰が一番か」で争いました(マルコ9:34参照)。また、ヤコブとヨハネは、「栄光を受けるとき、自分たちを神の国の王であるイエスの右と左に座らせてください。」と願い、それを聞いた他の弟子たちが、二人に対して腹を立てることもありました(マルコ10:35-41参照)。
その時、イエスは、弟子たちに「いちばん先になりたい者は、すべての人の後になり、すべての人に仕える者になりなさい。」(マルコ9:35)、また、「あなたがたの中で偉くなりたい者は、皆に仕える者になり、いちばん上になりたい者は、すべての人の僕になりなさい。」(マルコ10:43-44)と言われました。
これは、「自分が謙遜な人となり、誰もが自分よりも優れた人と考え、分け隔てなく愛しなさい。」ということです。またイエスは、「敵を愛し、自分を迫害する者のために祈りなさい。」(マタイ5:44)とも言われます。
私たちの間に起こる問題を解決する、また、問題が発生することを未然に防ぐためには、人を愛することです。でも、この愛は、神の愛でなくてはなりません。神の愛とは、自分の価値にあい、自分に利益をもたらす人だけに向けるものではなく、その人を丸ごと受け入れ、すべての人に向けられる、見返りを求めない愛です。
しかし、神の愛は、私たちの力で手に入れることはできません。十字架の上で死なれ、神と人との間に和解をもたらしたキリストを信じ、受け入れることによって、この愛が私たちに与えられます。神の愛こそが、人と人との間に、本当の平和を生み、世界における争いや兵器がなくなるために必要なのです。
そして、ラジオを聞いているあなたが、また世界中の人々が、神様の愛に満たされて、平和に過ごすことを願うのです。
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