高内信嗣(銚子栄光教会牧師)
メッセージ:私たちの間に~「エルマーのぼうけん」より~
いかがお過ごしでしょうか。千葉県の銚子栄光教会で牧師をしています、高内信嗣です。
私は幼少期、「エルマーのぼうけん」(ルース・スタイル・ガネット著、ルース・クリスマン・ガネット絵、わたなべしげお訳)という作品が大好きでした。9歳のエルマーが、鎖につながれている可哀想な竜を助けに行く、という物語です。
昨年、作者であるルース・スタイルス・ガネットさんが亡くなられました。ガネットさんは幼少期、両親が共働きをしていたため、雇われていた黒人の女性に育てられました。今から100年前の黒人に対する差別が強く残る時代に、黒人の女性を家族のように信頼して、一日中、子供をあずけ、しつけまで任せる両親は、よっぽど珍しかったに違いありません。
しかし、ガネットさんの家では、人種や貧富、性別で人を差別することがありませんでした。むしろ積極的に、そういった人たちを助ける家庭だったのです。 「エルマーのぼうけん」は、ガネットさんがアルバイトをしている時の退屈しのぎで書き始めた物語だそうです。そうだとしても、竜を助けるという物語を生み出した彼女の背後に、彼女の生い立ちが関係していると強く思いました。
さて、このエルマーの冒険を読みながら、私は、イエス・キリストの姿を思い起こしました。聖書を開きますと、「言は肉となって、わたしたちの間に宿られた。」(ヨハネ1:14)と書かれています。「言」とは、イエス・キリストのことです。イエス様は、人間となって、私たちのいる地上に来てくださいました。私たちを助け、救い出すためです。イエス様は、人種や貧富、性別で人を判断なさるお方ではありません。
ぜひ、聖書を手に取って、開いてみませんか。あなたを愛してくださり、救い出してくださるイエス様の姿が、そこに映し出されています。