小峯明(船橋高根教会牧師)
メッセージ:父よと祈れるわたしたち
いかがお過ごしですか。船橋高根教会の牧師の小峯明です。
日曜日に教会の礼拝に行くと、賛美歌を歌い、聖書の朗読を聞き、朗読された聖書の説明を聞きます。そして、牧師さんや信徒の方たちの祈りを聞くでしょう。
人間は誰でも、困った時には神頼みをする、と言われます。しかし、その神頼みの内容を具体的に聞くことはあまりありません。神社やお寺に行けば、そこで誰かが手を合わせて、何かを願っているのを目にしますが、何を願っているのかは聞こえません。皆、口に出さずに、心で願うからでしょう。
それに比べますと、教会のお祈りは、大きな声で、皆が聞こえるように祈っています。そこでわたしたちが耳にするのは、お願いばかりではありません。生ける神様に対する感謝、賛美、そして、自分たちの悔い改めが語られます。
さらにお願いを聞くこともありますが、礼拝の祈りではもっぱら、自分たちのことよりも、他の人々のために祈られています。出産を控えている方があれば、無事の出産のために祈り、受験生が教会にいれば、受験生のために祈ります。
その祈りを、イエス様は、「父よ」(ルカ11:2)と呼びかけて、父なる神様に祈りなさい、と弟子たちに教えました。この言葉の背後には、イエス様が当時用いていたアラム語で父親を意味する、「アッバ」という呼びかけがある、と言われています。これは、家族の中で用いられていた呼び方で、「パパ」とか、「父ちゃん」というような、とても親密で率直な呼びかけです。
声に出して祈る習慣がない方たちでも、「アッバ、父よ」と親しく祈るようにと、イエス様は招いています。祈りは、わたしたちと神様との信頼関係を示しています。共に祈りの家に行きましょう。それが、わたしたちの教会です。