牧野信成(長野まきば教会)
メッセージ:続・旧約聖書の女性たち サムソンとデリラ~恋愛?~
おはようございます。長野まきば教会の牧野信成です。
「恋愛」について考えてみましょう。「サムソンとデリラ」を取り上げます。
サムソンは、怪力の持ち主として知られたヒーローです。けれども弱点がありました。生まれてこのかた、一度も切ったことのない髪の毛です。その髪ゆえに、一人で千人もの敵を相手にできた、と聖書は伝えます(士師15:15参照)。そして、無類の女好きでした。これが、彼の致命傷となります。
最初の結婚に失敗した後、デリラと恋に落ちました。けれども、私たちは問わなくてはなりません。これは本当に恋愛か、と。二人の間に、イエスが教える信頼、共感、尊敬に基づく愛情が、本当にあったのでしょうか。なかったからこそ、聖書はこの物語を伝えるのかもしれません。
金銭を求めて領主におもねるデリラに、売春制度の中でしか生涯を全うできなかった女性の悲しみが見えます。愛していると言いながら、のらりくらりと売春婦をかわす、サムソンの男尊女卑の視線をも読み取ることができます。信頼、尊敬、共感を欠いた危うい恋愛において、デリラはしびれをきらし、いわゆる「泣き落とし」にかかりました(士師16:4-20参照)。
知恵は女性にある、と聖書は記します。けれども、イエスと結びついてこその知恵です。イエスへの信仰に基づかぬ知恵は、自分をも、また他者をも深く傷つけます。イエスを愛すると言いながら、実は、イエスから遠く離れた知恵が行きつく恋愛の悲劇を、サムソンの死は伝えます。
私たちはまずもって、イエスとの対話の中で、自分を愛することを学ばなくてはなりません。そのことなくして、恋愛はおろか、誰とも信頼関係を築くことはできないのです。