3月9日(日) ルカ4章1-13節
そこで、悪魔はイエスをエルサレムに連れて行き、神殿の屋根の端に立たせて言った。「神の子なら、ここから飛び降りたらどうだ。」
日本聖書協会『聖書 新共同訳』 ルカによる福音書4章9節
主イエスが荒れ野で誘惑をお受けになった個所です。悪魔は主イエスに対して、「神の子なら、ここから飛び降りたらどうだ」と言いました。 悪魔はここで、主イエスに対して、あなたは神の子なのだから、命の危険を冒してここから飛び降りても大丈夫だろうと試みているのです。これは、神の力を試す行為、つまり神を誘惑する行為です。
しかし、この悪魔の誘惑は、この場面のみが記すものではありません。マタイによる福音書27章にあるように、十字架にかけられたイエスに対する人々の侮辱も、ある意味で神を試す行為と言えるでしょう。「神の子なら、自分を救ってみろ」という言葉は、荒れ野での悪魔の誘惑と響き合うものがあります。
主イエスは、そのような人間の弱さ、神を試してしまう私たちの愚かさをよくご存じです。そして、そのような私たちと共にいてくださるのです。誘惑に陥りやすい私たちと共に、誘惑を受けられた主イエスがいてくださる。この事実は、私たちにとって大きな慰めとなります。
私たちも信仰によって神の子です。神の子なのだからといって無理をすることはないでしょうか。それは神を試す行為といえないでしょうか。神は弱さを抱える私たちと共にいてくださいます。
【祈り】
神よ、無理をして、あなたを試すことがないように助けてください。