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詩編53編
「人生を転換してくださる神」


だれもかれも背き去った。
皆ともに、汚れている。
善を行う者はいない。ひとりもいない。
(詩編 53編4節)

 この詩編は、パウロが人類の罪の告発に続いて、神に背いたすべての人間が腐敗し、善を行う者は一人もいないということの論証に引用した詩編です(ロマ3章10~12節)。

 2節の「神を知らぬ者」とは「愚か者」という言葉です。ここで言う「神などない」とは、熟慮の末、意図的に自分の人生哲学、信念として神を無視し冒涜し、神の御心に背いて生きるということです。高慢にも自分の生活を裁く「神などいない」として、何事でも神を無視して悪をたくらむ者のことです(詩10編4節参照)。

 パンを食べるように民を食い者にする者たち(5節)とは、神の民を虐げる支配階級の人びと、主の御名を呼ばない宗教的指導者たち(サム上2章12節)、民を搾取して生活している者たちです。彼らの末路は、辱められ、骨がまき散らされるように、徹底的な神の裁きによって神から捨てられると語られます(6節)。神に背いた人は、「皆ともに、汚れ」、捨てられるしかない存在です。

 罪人を回復することができるお方は神だけです。神はキリストにあって罪の力を打ち破り、「捕われ人を連れ帰られる」ように私たちの人生を新しく転換してくださいました(7節)。ですから、きょうもキリストにあって、この神ご自身を喜びとして歩もうではありませんか。

 

 【祈り】

 万事を益としてくださる神よ、わたしの人生を転換してください。

漆崎 英之(金沢伝道所)

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